2011年 03月 04日
マトウダイ |
硬骨魚綱マトウダイ目マトウダイ科
フレンス語では「saint-pierre(サン・ピエール)」と言います。
体の真ん中にある黒丸を弓矢の的に見立てて「的ダイ」とも、
馬の様な顔つきから「馬頭ダイ」となったとも言われています。
ちなみに、英名はtarget dory。
targetとは「的」ですから、皆考えることは一緒のようです。
「聖ペテロの魚」の別名もあるのだそうです。
キリストの12使徒の一人であり、強い意志の持ち主として知られるペテロの事です。
イエスと使途の一行が神殿税を納めるように税吏に求められます。
イエスはペテロに命じて釣りに行かせます。
そして最初に釣れた魚の口から出てくる銀貨を納めるように命じるのです。
すると、ペテロの釣り上げた魚からは予言どおり銀貨が出て来たのでした。
その銀貨を体表に残したのがこのマトウダイだとか。
ギリスシャでは、このマトウダイは「聖クリストフォロスの魚」と
呼ばれているのだそうです。
クリストフォロスは船舶や巡礼の守護神。
ある時、キリストを背負って海を渡った時に手にしていたのが
このマトウダイであり、その指の跡が黒点になって残ったと
伝えられているんですって。
なんにせよ、逸話の多いお魚です。
フランスでは高級魚の定番です。
小骨もなく白身で上品な味わいで、ムニエルなどに使われます。
身厚な白身魚(スズキなど)はじっくりローストにすることが多いですが
マトウダイなどの身厚じゃない白身魚は、さっとグリエしてお出しすることが多いです。
by LE_BACCHUS
| 2011-03-04 17:55